最高裁判所第一小法廷 昭和26年(あ)4561号 決定 1952年10月02日
主文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
弁護人小野喜作の上告趣意は、結局量刑不当、理由不備の主張を出でないものであって(上告趣意書には控訴趣意書の援用は許されない。)、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお、(原判決中「刑に法定を加重した」とあるのは、「刑に法定の加重をした」との誤記であると認められる。そして、恐喝罪の刑と暴行罪の懲役刑とは前者が重いことは明らかであり、且つ、本件のように数個の恐喝罪があるときはそのいずれの罪が最も重いかを明示説明しないで併合加重しても必ずしも違法とはいえないから、原判決には理由不備の違法があるとはいえない。)また本件では同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野 毅 裁判官 岩松三郎)